第6章 ねこふたり。(一松)
【十四松】
トド松「一松兄さん、帰って来ないね…」
チョロ松「大丈夫、きっと帰って来るから。」
チョロ松兄さんがトド松の背中を擦る。
僕らは一松兄さんとケンカして、一松兄さんに出ていけ!て言ってしまったんだ。
そしたら一松兄さんは言葉通り出ていって。
今,夜中になっても帰って来ない。
赤、青、緑、ピンク。
やっぱ僕が見慣れている紫はなくて、
違和感があった。
早く帰って来てよ
一松兄さん………
ピーンポーン
十四松「一松兄さんの匂いだ!」
俺は急いで玄関の扉を開けた。
十四松「えっ…○○ちゃん……」
扉を開けると○○ちゃんと……一松兄さん!!
十四松「一松兄さん!!ごめん!酷いこと言って!」
一松兄さんの腕をぶんぶん振ってただいまも忘れて謝った。
一松「俺も……ごめん…………」
小学生みたいに謝ると○○ちゃんは安心したかのように一松兄さんの背中を擦った。
「一松君、ケガしてるから消毒液とか絆創膏ない?」
おそ松「えっと確か向こうの部屋に……」
そう言うとおそ松兄さんは救急箱を探しに行った。
十四松「一松兄さんどうしたのその傷!?」
一松「猫に引っ掛かれた…」
猫に?あり得ないよ。
一松兄さんは猫が大好きで猫もまた、一松兄さんに野良とは思えないくらいなつく。
だから猫に引っ掛かれるなんてあり得ないのに…
でも、この傷は確かに引っ掛き跡だ。
おそ松「救急箱見つけた!」
おそ松兄さんが見つけてくれた救急箱で一松兄さんの傷を手当てする。
もちろん手当てするのはチョロ松兄さんだ。
6つ子の中で一番手当てが上手いのはカラ松兄さんだけど
一松兄さんはカラ松兄さんに手当てされるの嫌がるから、いつもチョロ松兄さんが手当てしている。
一松「っ………」
消毒液が一松兄さんの傷に滲みる。
そりゃ、切り傷は消毒液に滲みるからね。
チョロ松「はい終わりっ!
トド松、救急箱直してきてくんない?」
トド松「しょうがないなぁ」
チョロ松兄さんが手当てを終わるとチョロ松兄さんはトド松に救急箱を手渡していた。
一松「○○…今日はありがと。……え、○○!?○○!?」
一松兄さんが○○ちゃんの方を向いた時には、○○ちゃんは床に倒れていた。