第6章 ねこふたり。(一松)
【○○】
はぁ~
今日は先輩と苦手な客先に営業か~
この商品、売れるんだろうか………
私は客先に紹介する商品の紙をペラペラと読んでいる。
ありふれた商品だから、売れないと思うんだが…
先輩と街を歩いていると、向こう側から美味しそうなケーキの匂いが漂う。
あぁ~~
小学生のときはケーキ屋さんになりたかったのに~
ごめんよ、小学生の私。今の私はただの新人OLだ。
あれ?あの人って、まさか……
街を歩いていたのは、一松君だった。
一松君も街に出るんだ。
声を掛けようとしたら一松君は路地裏に足を踏み入れた。
!?
何故に路地裏!?
近道とかかな?
「おい新人!ぼーっとしないでさっさとこい!」
「あっ…すいません」
一松君……何で路地裏なんかに?