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ある一週間のこと

第5章 五日目




「そうなんですけどね……僕、元々血とか苦手だし、あまり体質に合わないんですよね。デュラハンっていうのが」

「あら、でもなんでホストに?」

「僕がデュラハンの本来の姿として、あまり向かないということをミリィちゃんが知っていたので、ホストを勧めてきたんですよ。理由は『フィルのことだからデュラハンとしての仕事をやめても、引き籠って本を読み漁ったり、観葉植物を眺めてそうだから、適当に決めちゃダメよっ! 私が紹介してあげるわっ』っていうことで……」

「うふふ、ミリィちゃんらしいわねぇ。それで、勧められたのが、ここってわけねぇ?」


僕は頷いて机に置いた頭の髪を指でいじる。


「まあ、それでもホストの仕事はそれなりに楽しいですし。ミリィちゃんは、なんだかんだ言いながらも、僕のことをよくわかっているんだなぁって」

「そうねぇ。でも、あんまりミリィちゃんを頼りにしちゃダメよ~? 彼女は強いけど、女の子なんだから、大切にしてあげなきゃ。誤解もしっかり解かないと」

「そう、ですね……」


僕は小さくそう呟いた。


「あっ、あと今日の朝アンジェラちゃんに会ったのよ~。彼女の方から声をかけてきてねぇ」

「本当ですか!?」

「えぇ、昔と変わらず可愛いかったわよぉ。それで、連絡先も交換しちゃったっ」


そう言ってうふふ、と笑うジェイさんに、僕はほっとしてしまった。アンジェラさん、勇気出せたんだ。良かった……。

ただ、それも嬉しいけどミリィちゃんの誤解も解かないとなぁ……。
僕はしょんぼりとした気分で、ソファーにもたれかかった。



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