第4章 四日目
「あらぁ、意外と積極的ね? そんなに気になるのかしら~」
「えっ、ま、まあ……ちょっとは?」
「前にアタシが現役だったころのお客さんだったんだけどねぇ。明るくてハキハキしてて、見てて可愛かったものよ~。その時は、別のホストが彼女の担当だったから、簡単に近づくことなんてできなかったんだけどねぇ。その後に、彼女の担当ホスト君が仕事辞めたんだけど、ホストっていう職業柄、やっぱり気軽に女の子に声をかけることができるわけでもないし」
「へ、へぇ……でも、今は引退してるし、その女性の担当も辞めちゃってるわけですから……」
「アタシ、意外と恋愛には奥手で。それに、ちょっと気になってるだけだもん」
ぱちっとウィンクをして、口に手を当てて「うふふっ」と笑うジェイさん。
いや……むしろガン攻めするタイプに見えるんだけどなぁ。妖精は見かけによらないっていうし、ジェイさんもそうなのかもしれない。
確かに見た目はどこのボクサーかよ、っていうぐらい筋肉とか凄いけどオネェ口調だし……。
「また会えないかしらねぇ……アンジェラちゃん」
「……え?」
考え事してたら、凄い言葉を聞いたような気がする。
ちょ、待って?