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Side by Side  【気象系BL小説】

第5章 幸せのカタチ


「翔くん、本物のお父さんみたい」


オーディオルームの大きなテレビに映る

映画を見ながら貴方が言う。


「そっかなぁ?」


答える俺。

冬のある日、二人並んで今度発売される

映画のデモ版を見ている。

画面に映るシーンは俺が演じる役が

子どもと家でかくれんぼするシーン。


「お父さん…ねぇ?」


「うん、なんかさぁ…

 目がやさしいっていうの?

 すごくいいよね」


にこにこしながら言う貴方。

ねぇ?どういうつもりで言ってるの?

まぁ貴方のことだから

素直にほめてくれてるんだと

思いたいんだけど…。

俺としては内心複雑。

だってさ、こういう時、

突然投下するじゃん?

爆弾を…。

こんな風に…。


「ねぇ翔くん、結婚、しないの?

 子ども、ほしいんじゃないの?」


ほら来た…。

目線は画面のままなのに…

探るような口調。

聞きたいけど聞きたくないて感じ?

なら聞かなきゃいいのに…って

心の中で苦笑する。

何が知りたい?

何を恐れてるの?


「結婚?予定はないね…

 この仕事してたら無理でしょ?」


「もしもこの仕事してなかったら…

 結婚してる?」


そういう貴方はどうなのよ?


「どうだろう?

 未来なんてわからないし…」


仮定の未来なんてわからないよ。
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