第3章 聖なる夜に
智side
夢を見ていた…
真っ赤な服に、真っ赤なトンガリ帽子、白い髭を蓄えた翔くんが、俺に向かって小さなブルーの箱を差し出している。
俺はそれを受けとると、箱にかかったリボンを解き、ゆっくり蓋を開けた。
そこにはシルバーのリングが2つ。
笑いたいのに、涙が溢れて…
そんな俺を見て、翔くんが笑っていた。
何か言ってたみたいだけど、夢はそこで途切れた。
窓から差し込む朝日を浴びながら、夢が現実になればいいのにな…なんて考えてた。
そうだ…今日はチキンを買いに行こう…
んで、ツリーも飾ろう…
あっ、イチゴと生クリームがいっぱいのケーキも忘れずに…
おしまい