第5章 Down on me
和也が見つかった。
公園でいなくなってから、一週間経ってた。
警察が見つけた時には、和也は一人で近くの川辺を歩いていたそうだ。
先生の計らいで、すぐに面会に行けることになった。
警察から連絡を受けて、すぐに連絡してきてくれたから、詳しい話は病院で聞くことになった。
和也の病室に入る前に、警察から話があった。
「二宮さんは、暴行を受けています」
「え…?」
先生が青ざめた。
「性的暴行ですね…肛門にいくつも裂傷があります」
「そんな…」
「それから、顔面と腹部など殴られた痣も…」
「誰にっ…誰にそんなことっ…」
思わず俺は警察官に食って掛かった。
「わかりません。事件として捜査はこれからになります」
医師の診察を受けて、手首や足首に縛ったような痕や、薬物を使った痕跡があるとのことだった。
「酷い…」
先生が顔を覆った。
「今、二宮さんは言葉を発しませんので…詳しいことはわかっていないんです」
「え?」
「喋れないようです…」
先生が悲鳴のような声を上げた。
「あの子がっ…何したっていうのよぉっ…」
そのままドアを開けて病室に駆け込んでいった。