第15章 Flower in the Sun
侑李の葬儀は、雅紀抜きだった。
雅紀は病院から姿をくらましてしまった。
家にも帰ってなくて。
連絡も取れない。
仕方がないから、小出さんが喪主になって葬儀は行われた。
また、逃げた。
小さな教会で、参列者も俺たちだけ。
侑李の本当の身元は全くわからなかったから、誰も呼びようがなかった。
小出さんが帰依する、教会の牧師に導かれて、侑李は天に還っていった。
墓地もその教会が提供してくれる墓苑にある。
和也が侑李によく似合う、クリーム色のバラを墓前に添えた。
「和也、いいこだ」
小出さんが和也の頭を撫でた。
和也は俯いたまま、立ち上がろうとしなかった。
「暫くほっといてやんなよ…」
黒の喪服に見を包んだガオが、俺の袖をひいた。
珍しく、女性の服を着ていた。
帽子から伸びるベールで、目の表情がよく見えないが、泣いていた。
「ん…俺、近くで和也見てるから、教会戻ってて?」
「わかった…」
智と潤、小出さんとガオ。
それぞれ連れ立って、墓苑を後にする。
遠くで人影が見えて、雅紀かと思ったら風間で…
「よう…」
「ごめん…花だけでもって思って…」