第3章 Call on Me
ぐったりと俺の腕の中に倒れ込みながら、かずなりくんは必死で俺の口を拭う。
「のんじゃだめです…うつるから…」
ごくんと飲み込むと、絶望的な顔をした。
「どうしたの?なにがうつるの?」
「ばかがうつります…」
「誰が言ったの…?そんなこと…」
「だれでもないです…」
ぷいっと顔を逸らしたけど…
それって例のボランティアのヤツだよね…
そんな酷いこと言われてたんだ…
「かずなりくん…そんなことないからね…?」
ぎゅうっと抱きしめると、かずなりくんも抱きついてきた。
「やさしい…しょうさん…ありがとう…」
声に涙が混じっている。
どうして…?なんで泣くの…?
身体を離して顔を見ようとしたら、またぎゅっと抱きつかれて顔が見えない。
「もっと…きもちいいことしたい…」
「え?」
「しょうさん、ぼくと…えと…えーっと…うー…」
「だっ…だめだよっ…これ以上はっ…」
「なんで?」
「だって…」
「ぼく、はじめてじゃないし…しょうさんもぼくのことすきです」
「えっ…えっ…え?」
「ぼくもしょうさんのことをあいしています」