第1章 My Baby
どんっとぼくの肩にだれかがぶつかりました。
その人は、ぼくのあたまをなぐりました。
「てめーっ…この税金泥棒っ…!」
しせつのいりぐちで、ぼくはそのひとになぐられつづけました。
「ごめ…ごめんなさいっ…」
肩がぶつかっただけなのに、なんでこんなになぐられるのかわかりませんでした。
ぜいきんどろぼうってなんだろう…
ぼくはどろぼうなんかしてないのに…
うずくまってもその人はぼくのことをなぐりました。
「タダ飯食いやがって…!社会のゴミがぁっ…」
足でけられました。
とてもいたかった。
まわりのひとは、とおまきにしてみているだけで、だれもたすけてくれません。
なんとかにげようと手をのばしたら、その手をかかとでふまれました。
ぎりぎりっと音がして、ぼくの手から血がでました。
「いっちょまえに、逃げることは考えられんのかよ…このノータリン」
のーたりん?
「ぼくのなまえはのーたりんじゃありません…」
「ああ!?何いってんだてめえ!?さすがノータリン学校に通ってるだけあるじゃん」
「ぼくのなまえはにのみやかずなりです!」