第10章 Cry Baby
目を開けたら、まぶしい光が目を刺した。
ここは…?
身体を起こすと、部屋を見渡した。
病院…?
あれ?俺、どうしたんだっけ。
ベッドの隣に置いてある機械が、なんだか光ってる。
アラート音が鳴り響いてる。
なんだこれ?
身体を見ると、管だらけ。
手を見ると、自分じゃないみたいな細い腕がついていた。
「え…?なにこれ…」
慌てて布団をめくると、足も細くなってる。
肋に骨が浮いてる。
「なんだよ…これ…」
混乱していると、病室に看護師が飛び込んできた。
「櫻井さんっ!わかりますか?」
「え…?」
「名前を言ってみてください」
「え?俺?…櫻井翔…」
「年齢は?」
「25歳…」
「血液型は?」
「A型…」
「今、先生が来ますからね」
そう言って、傍らの機械のアラートを止めている。
先生…
そうだ…先生っ…
「あ、あのっ!先生は…石井さんはどうなったんですか!?」
「え…?」
「あの、俺が…俺が倒れたところ…」
「あ…」
そういうと看護師は気まずそうな顔をした。
「詳しいことは、先生の診察が終わってからお伝えしますから。とりあえず、あまり興奮なさらないよう、ベッドで横になってください」
すぱっと切り捨てられるように言われた。
何があったんだ…?
先生は…?どこ?