第14章 レッド
「だってあの時助けてくれました。今まではどんなに叫んでも助けてもらえなかった。でも助けてもらえた。
もしかしたらあの時から、あたしは自由さんのこと好きだったのかもしれませんね」
その時思いっきり抱きしめられる
入「俺も、あの時から好き。大好き」
「く、苦しいです」
入「その苦しさが俺の愛だよ」
顎を掴まれる上を向かされる
入「なんか分からないけど、俺さ、すっげー幸せ」
「あたしも」
その先を言わせないかのように降るキスの雨
そして深くなっていく
しばらくすると離れ2人の間には銀の糸が
入「……今日は家に帰りたくない。どっか泊まろう」
返事の代わりに手を握る
入「ふふ。じゃあ行こっか。あ、そうだ」
部屋を出る前にあたしの耳元で
入「愛してるよ。
今日は離さないから」
顔を赤くするあたしを見て笑う自由さんが手を差し出す
躊躇うことなく手をとる
この先もこの手を離さないように
2人で幸せになれる未来を夢見て……
入野自由 END