第11章 遊園地 ~T~
「あの」
戸惑っていると
柿「泣いていいんだよ」
その言葉であたしは涙を流した
本当はあいつらに会って怖かった
また変な嘘をつかれたりするのではない
恐怖でいっぱいだった
柿「君はね、もう1人じゃないんだから…頼ってね」
そうだ
あたしは1人ではない
ずっと欲しかった言葉をくれた人達がいた
「ありがとうございます」
手を解かれ向かい合わせにされると
瞼にキスをされた
柿「やっぱり、しょっぱいや」
なんて笑っている
────────
帰り道
柿「そう言えば、今度俺らのライブがあるんだ」
「皆さんが忙しそうに準備してたのですよね」
柿「うん。キラフェスって言って俺らの1年のまとめって感じかな」
「そうなんですか。でも今からじゃチケット…」
柿「大丈夫。これあげるよ」
「関係者席!でもあたし」
柿「これは俺らからのプレゼント。勝手に日曜日の方にしたけど予定大丈夫?」
「予定は大丈夫です」
柿「なら、この日は鈴さんが来るから一緒に来な」