第5章 ♠ラップでウィンナー売っちゃうぜ!
中丸君が俺に習って団扇を扇ぎはじめた。
ん?
なかなか筋がいいぞ。
「やるじゃないか、中丸君!」
「いえ、先輩にはまだ敵いませんよ」
謙遜してみせるところが、また憎めない。
「ママ〜、いい匂いがするよ〜」
そろそろ俺達の頑張りが功を奏してきたか?
ホットプレートの周りにはいつの間にか黒山の人だかり。
「中丸君、ウィンナーの準備を頼むよ」
「はい、先輩!」
俺達は互いにアイコンタクトを交わし、中丸君は追加のタコさんウィンナーの制作、俺は鉄板の上のウィンナーに楊枝を刺す。
作業の効率化を図ったという訳だ。
「先輩、出来ました!」
中丸君が額の汗を拭った。
よし、全ての準備が整った。
俺はマイクを手に取り、ラジカセの電源を入れた。
中丸君にもマイクを手渡した。
「レディースエ〜ンドジェントルメ〜ン、そしてちびっ子達! 大変長らくお待たせしました。これからウィンナーの実演販売やっちゃいます!」
…………………………………
…………………………………シーン…
オイオイ、みんな照れてんのか?
それとも、期待で胸がいっぱいなのか?
まぁ、いいさ。
「イッツ ショー タイム!」