第22章 No.1は誰だ!
「青の間 エントリーNo.5 智」
「智さん、ご指名です」
「zzzzz……」
「智さん! ご指名です!」
「へっ? あっ、ふぁ~い…」
あ~あ、せっかくいい夢見てたのになぁ…
ちゃっちゃと切り上げて、夢の続き見ようっと♪
「いらっしゃいませ、智です」
片膝を府下に着き、欠伸を噛み殺しながら、お決まりの挨拶をする。
「おめぇが智か? ま、好みっちゃあ好みだな」
な、なんだこの”べらんめえ口調”の兄ちゃん…
「そ、そりゃどうも…」
一応笑って見せるけど、多分引きっつってるな…
間違いない。
「おい、堅っ苦しい挨拶は抜きにしてよ、ここ来て座れや」
「は、はぁ…」
言われるまま隣に腰を降ろすと、プ~ンと漂うアルコール臭。
なんだよ、もう出来上がってんじゃん…
だったら早いな。
「なに飲みます?」
「俺か? 俺はコレだよ、コレ」
テーブルの上のウィスキーのボトルを引っ掴むと、ボトルに直接口を付け一気に煽る。
それもゴクゴクと喉を鳴らしながら…
「えっ、あの、ちょっと、何考えてんの?」
「ウィ~! おめぇもやるか?」
って、目の前に差し出されるウィスキーのボトルは、ほぼ空に近い状態で…
「おっ、これじゃあ飲めねぇか…。おい、追加頼むわ」
まだ飲む気かよ…
呆れる俺をよそに、ゲストがコールボタンを押した。