第21章 銭湯へGo!
私はショーケースの奥の奥の方から、埃を被ったシャンプーハットを取り出す。
「これでいいですか?」
「コレコレ! いくら?」
爽やか好青年ががま口の財布の蓋を開ける。
正直、こんな物でも売れれば利益にはなるんだが…
いや、待てよ?
良く考えてみれば、私はこのシャンプーハットの代金以上のモノを拝ませて貰えるんだよな?
だったら…
「大分古い商品なので、お客様に差し上げますよ」
「えっ、マジで? ほんとにほんと? 超ラッキー♪」
ええ、どうぞどうぞ。
その代わり、私はあなたの身体を存分に楽しませて頂きますからね?
あのギリシャ彫刻が愛して止まない、あなたの身体をね…?
さあさあ、早く脱ぎたまえ!
……………………?
いや、それ間違ってるだろ?
普通はシャツを脱いでから、被るもんだろ?
何故に君はシャンプーハットを先に被った?
それでは当たり前だが、シャツは脱げませんよ?
「あれ? …あ、そっか♪」
この男、見た目以上に天然のようだ。
何はともあれ、そろそろ拝ませて下さいよ?
そのシャツの下に隠された、引き締まったボデーを…
ゴクリ…
私の喉が一際大きな音を立てた。
序に私の手もスピードアップだ。