第3章 ♥オレはトレーナー
雅紀side
オレは相葉雅紀。
一見、どこにでもいそうな爽やかな好青年、って人は言う。
人前では常に笑顔を絶やすことなく、明るく元気に振る舞う。
たまにはドジだってやって見せるから、“天然”なんて称されることもしばしば。
でも、それは“表の顔“。
オレの“裏の顔“は違う。
昼間は普通のサラリーマン。
でも、夜のオレはネクタイを解き、スーツを脱ぎ捨て、その変わりに身に纏うのはレザー調のボンテージスーツ。
オレのもう一つの顔…“ご主人様”だ。
オレの前では誰もが膝まづいて、オレの有難い“愛の鞭”を受けるんだ。
そう…
今オレの前にいるコイツの様にね?
「ホラ、早くその堅苦しいスーツを脱ぎな?」
コイツもオレと同じ、昼間はごく普通のサラリーマン。
最近頻繁にオレの“愛の鞭”を受けに来るようになった。
サラリーマンって仕事は、楽そうに見えて、案外ストレスが溜まるもんなんだ。
そのストレスを発散する為に、ここへ通い詰める客は少なくない。
コイツもその客の一人。