第16章 ♥DVDレンタルしてどうするの?
「ねぇ、痴漢さん? あのね、キス、して欲しいの」
おっと、ぼやぼやしている暇はないようだ。
次のステップに突入か?
「んふ、いいよ?」
そして重な二人の唇。
チュッと触れたかと思えば、チラリと覗かせた舌先が二つ、突き合いを始めた。
ピチャピチャと音を響かせながら戯れる二つの舌先。
だが、考えたことはあるだろうか?
この二つの舌先の片方…つまり、雅紀氏の舌だが、さっきまで智のナニを舐めてたよね?
しかも飲んだよね、智のナニから出たアレを…
ってことは、智は間接的に、ではあるけれど、自分の出したアレを舐めてる、ってことにはならないのだろうか?
私は…ちょっとムリだな…
自分の出したモノを舐める、なんて行為…
絶対ムリ!
だがしかし、そこに”愛”があれば、ひょっとしたら出来るのか?
「ねぇ、早くお家帰ろ? オイラ、我慢できないの…」
「俺もだよ? じゃあ、今夜はコレ試してみよっか?」
どれどれ?
『家”性”婦は見た』?
何かのパクリなのか?
「さ、行こっか」
「うん。…あ、ご苦労様です」
智が私を見て、頭をペコリと下げた。
なんつ~可愛い笑顔なんだ。
「あの~」
「は、はい、何か?」
「汚れてますよ、DVD」
へっ?
見ると私の前に並んだDVDには、私の飛ばしたモノがベットリとこべりついていた。
やばいやばい…
ピンポ~ン♪
おっと急がねば…
お次の客のご来店だ。