第15章 祭りだ、わっしょい!
俺は相葉雅紀。
つい最近まで、昼間はサラリーマン、夜はコンビニのバイトに明け暮れ、そりゃあもう忙しい毎日を過ごしていた。
…えっ?
俺のこと覚えてるって?
それじゃあ話は早いね。
実はあの後さ、あのコンビニ潰れちゃったんだよね。
まぁさ、あの店ってさ、オーナーの櫻井さんはなかなかのヤリ手なんだけどさ、客層がちょっとアレじゃあね…
時間の問題、ってやつだったんだろうね。
で、そこへきて追い打ちをかけるように勤めていた会社の経営が悪化。
見事リストラ対象候補。
それならば、と思って首になる前に辞表叩きつけてやったぜ。
ワイルドだろぉ~?
そんな訳で、無職になった俺は当然だけど借金の返済も滞るようになって、たまたま拾った求人情報誌の中から、片っ端から電話をかけまくった。
そして漸く見つけた仕事。
それが祭りの屋台。
そういわゆる”テキヤ”ってやつだ。
櫻井さんのコンビニで鍛えられたフランクフルト焼きの腕が買われたってわけだ。
本音を言えばちゃんと正社員で働きたかったけど、そんな贅沢も言ってられない。
何せ返済は待ってはくれないからね?