第2章 ♥私は怪しいホテルマン
煌びやかなネオン街から一歩奥に入った細い路地。
その路地裏に私の職場はある。
今ではめっきり少なくなったモーテルタイプのラブホテル。
そこで私はフロントの仕事をしている。
あ、申し遅れましたが、私は二宮和也。
趣味はゲーム。
俗にいう”ゲームオタク”ってやつだ。
一日の大半をゲームの世界で生きていると言っても過言ではないのかもしれない。
でも、最近そんな私にも新たな趣味ができた。
とても大きな声では言えない趣味だが、これのお陰で退屈な仕事にも楽しみを見出すことができるようになった。
人に言わせればただの悪趣味なんだろうけどね?
ラブホテルと言っても私が働くホテルは、最近流行りのファッションホテルとは違って、所謂モーテルタイプになっているから、フロントを通ることなく、駐車場に各部屋へ通じる扉から入室することも可能だ。
誰とも顔を合わせることなく、ホテルにチェックインが出来る。
それが敢えてモーテルを利用する客の最大のメリットだ。
だからかな、客の大半は大っぴらに出来ない関係のカップルばかりだ。
とは言っても、それ程利用客が多いわけではない。
従って私の仕事も、この隔絶された薄暗い個室の中での業務が殆どだ。