第11章 Dream House feat.「こたつ de ×××」
翔君とは違う唇。
翔君とは違う手。
翔君とは違う声。
松潤の唇が僕に口づける。
松潤の手が僕の身体を撫でる。
松潤の声が僕に囁く。
それでも僕は、
「もっと、もっと強く抱いて…」
そう強請ってしまうんだ。
一人は嫌いだから…
明け方目を覚ますと、外は雨が降っていた。
松潤の腕からそっと抜け出し、窓辺に歩み寄ると、ひんやりとした空気に、身体がブルっと震えた。
「いつまでも裸でいると風邪ひくよ?」
声に振り向くと、いつの間に起きたのか、松潤が僕を見ていた。
「昨日のうちに作業済ませといてよかったぁ…。雨、降ってる」
僕の肩に、そっとブランケットがかけられた。
「風邪ひくって」
「ふふ、僕が風ひいたら、松潤看病してくれるんでしょ?」
「まぁね。Dr.松本ですから?」
僕達はお互いに顔を見合わせると、プッと吹き出した。
「あ、でも翔君は帰ったら”お仕置き”だよね? 大体”許可”ってさ、僕は誰のモノでもないっての…」
鼻息を荒くする僕の横で、松潤がスマホを操作した。
電話…ではないみたい。
「メール、しといたから、Namakoに。飛びっきりの”職場体験”用意するように、ってね?」
僕達はまた顔を見合わせて笑った。
そして窓の外に目を向ける。
雨は当分やみそうにないな…
梅雨が終われば、本格的な夏がやってくる。
僕の一番好きな季節、夏が…
夏になったらさ、また海を見ながらビールでも飲もうよ。
5人でさ…
おわり