第10章 ♥“おめでた”ですよ? 「アンケート祭り222」
Dr.松本side
「そろそろ来る頃だと思っていたよ? ささ、ここに座って?」
二宮君が少々背中を反らした格好で大きなお腹を摩りながら、ゆっくりと検診台の上に腰を降ろした。
「陣痛が始まったんだね? で、痛みの間隔は?」
「そ、それが…2,3分おきぐらいで…あ、また…んん…」
相当苦しいのであろう、二宮君の顔が苦痛に歪み、額には油汗が滲んだ。
「もうそろそろ相葉君も駆けつけるから、それまで辛抱しておくれ?」
二宮君が唇をグッと噛みしめ、コクリと頷いた。
私はその時に備えて着々と準備を始めた。
白衣を脱ぎ捨て術着に変えた。
手には勿論相葉君お薦めのディスポグローブを装着した。
「では二宮君、内診をするから下は全部脱いで貰うよ?」
「は、はい…はぁ…いっ…たぁ…」
「どうやら自分で脱ぐのは無理そうだね。私が手伝ってあげよう」
私は折角はめたディスポグローブを外し、二宮君の脱衣の介助をした。
ベルトを抜き取り、前を開くと下着がジンワリ濡れている。
「これは破水しているようだ」
下着の濡れた部分に鼻を近づけ、クンクンと匂いを嗅ぐと、何とも言えない二宮君の匂いがした。
「はぁ~、なんていい香りなんだ…」
うっとりとその匂いに酔い痴れていると、乱暴なノックと同時に、荒々しくドアが開け放たれた。
「すいません、遅れてしまって…」
毎度毎度汗びっしょりの相葉君だった。