第8章 ♥恋のカウンセリング受けてみない?
カルテNo.2038 二宮和也
う〜ん、一見すると子犬のように愛らしくはあるが、この男案外計算高いのかもしれない。
その証拠に、この男の物言いには何か含みがあるような気がする
え〜、二宮さん、でしたね?
「書いてあるでしょ、そこに」
あぁ、そうですね。
で、今日はどのようなご相談で?
「実はさ、私にも好きな人ってのがいるわけですよ」
ほうほう。
それはその方とのご関係にお悩みが?
「いや、だからさぁ、人の話最後までちゃんと聞きなさいよ」
そ、それは失礼しました。
「んでさ、その相手ってのがまたボーッとした奴なのよ。趣味も暗いしさ…」
趣味ですか?
因みにどのような趣味なんですか?
「ん? あのおじさんの趣味って言ったら、釣りと絵描くことくらいかな?」
素晴らしい趣味をお持ちの方じゃありませんか?
「まぁね…。でもさぁ、思うんだけど、どっちも会話いらないじゃん?」
それは、そうですね…。
で、二宮さんはその方とどうなりたいんですか?
「そりゃさ、付き合いたいよ? あんなことやこんなこと、されたいよ?」
ふふ、二宮さんも隅に置けませんねぇ。
で、因みにその方のお名前は?
「あぁ、大野智だよ」
そうですか。
では、こうしましょう。私は二宮さん。
二宮さんは大野さん。
二宮さんが大野さんにして欲しいことを、二宮さんの私にしてみて下さい。