第6章 想いは彼方
雅紀の家に来るのは中学の時ぶり。
雅紀の母親は雅紀が小さい頃に病気で亡くなっていて 、
家族3人で写った写真が今でもリビングの棚の上に 飾ってある。
お父さんは笑った顔が雅紀とそっくりの優しい感じだ けど、仕事は経営コンサルタントをしていて、
幾つも のお店を持っていてバリバリな感じ。
真っ赤になった目でボー然と三人の家族写真を眺めて いると
「翔・・どーした? 制服なんて着て。
ってか目、真っ赤じゃんか!」
そう、雅紀が入ってきた。
「どうしたってこっちの台詞だよっ!
学校辞めるってどういうこと?」
ソファーからたちあがり雅紀につかみかかった。