第13章 ひとりじゃないさ
翔君が身体を起こし、唾液で潤ったそこに指を突き入れる。
十分に解されたそこは、簡単にそれを飲み込んだ。
「大丈夫? 苦しくない?」
「ん、大丈…夫。翔君が…してくれた、から…」
俺の言葉に翔君の顔に安堵の色が浮かぶ。
そりゃそうだよね?
男となんて、翔君したことないだろうし…
不安だよね…
俺の中に挿れられた指が、ゆっくりと動き出す。
内壁を確かめるように、そっと優しく撫でる。
「はっ、あぁ…もっと、ちょうだい…?」
言ってしまってから羞恥心が込み上げるけど、そんなのもうどうでもいい。
俺は強請るように腰を自分から揺らした。
「痛かったら言ってね?」
俺の反応を見ながら、翔君の指が一気に三本まで増やされる。
さっきよりも強い圧迫感に息が詰まりそうになる。
「んぁ…っ…」
逃げようとする腰を掴み、指の抽挿を繰り返す。
そしてその指が前立腺を掠めた瞬間、俺の身体は大きく跳ねあがる。
「ひっぁ…、ん、あっ、そこや…だぁ…っ…」
もっと擦って…
口では否定しても、その後に来る快楽を、俺の身体は知っている。
指の動きに合わせるように腰を揺らし、その時を待つ。
「あっ、あん、くる…くる…よ…んぁ、あぁっ…!」
俺は二度目の熱を翔君の手に吐き出した。