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Pentagon【気象系BL】

第1章 アヴェ・マリア


目映い光の中、重い瞼をゆっくり開く。

その瞳に映ったのは、いつもとは違った世界。

明るい日差しを取り込む大きな硝子窓に、細かい細工が施された天井。

そしてフカフカの布団。

その何もかもが自分の住む世界とは違っていた。

何故自分がここにいるのかさえ、覚醒しきらない脳では分からない。

身体を起こそうとしたら、全身を鈍い痛みが襲った。

あぁ…、夢じゃなかった…

悪夢のように残酷な現実が突き付けられた瞬間だった。

「うっ…く…」

涙が頬を伝った。

硬く食い縛った口から溢れる嗚咽が部屋に響いた。
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