第2章 2
コンサートの日以来特に変わらない毎日
変わったことといえば
「聖奈」
ほら、きた。
あたしの名前を呼んで抱き着いてきた健人。
「愛してるよ」
耳元で囁く健人
あたしの心臓は健人に聞こえるんじゃないかってくらい脈をうっている。
「また、やってるよ」
風磨が言うと勝利もこっちを見て
「はあ」
ため息。
二人とも引き気味。
最近ずっとこんな感じだ。
あの日決心してしばらく経った
まだその場面には出くわしてない。
健人がソロで歌う場面はあった
だけど、あの歌を歌う場面はなかった。
少しホッとしてるあたしがいた。