第12章 誤解

翔は、本当に優しい。

ちょっとピント外れの気遣いも、
翔らしいと言えば、翔らしい。
気づいてもらいたいことは、
俺が言えばいいんだよ…。

分かってるけど...
そんなことは百も承知だけど...

素直になれない自分が嫌だ。
翔の真っ直ぐさに比べて、
なんて俺って、ねじ曲がってるんだろう...

そう思うと、悲しくなる。
翔はこんな俺の、どこがよくて
付き合ってくれてるんだろう...

（はぁ....なんか、凹む...）

俺は湯船に頭まで浸かった。
その時、翔の声。

櫻「カズ～!!いつまで入ってんの～？」

「はーい!!今、出る～♡」

（おっと!!!何気に、可愛いじゃん..俺）


いつもは優しい翔は、
ベッドでは少し意地悪だ。
そして、いつも肝心な時に
素直になれない俺は、
ベッドでは、翔のなすがまま...


もしかして、それで俺たち、
バランス取れてんのかも...

面倒くさいこと考えんの、やめ...



櫻「お願いして...カズ♪」

「...イれて..しょお♡」