第10章 半月
翌日は、『天国』の
真っ白なビーチで並んでいた。
あまり真っ黒になってしまうのは、
仕事に支障を来すから、
日焼け止めはしっかり塗った。
この世のものとは思えないくらいの、
真っ白な砂浜がどこまでも続き、
海もまた、寧ろ作り物なんじゃないかと
疑うほどの美しさで...
ここを『天国に一番近い』と言ったやつは、
本当によく言ったと思う。
まさに、汚れた愛憎渦巻く人間界の存在を、
忘れさせてくれる。
ニノと恋人繋ぎで砂の上...
『このまま、死んでしまっても、
いいかな...』
なんて考えている自分に、
愛しい恋人が言うんだ。
ニノ「このまま、ホントに
天国行っちゃっても、いいかも...」
答えず笑う俺に、
ニノ「なんで笑うかな~...俺今、
すげー真剣に告ったのにひどいよ!しょ...」
俺は、拗ねてすぼめられた唇を
自分の口で塞ぐ。
いつも、俺が考えてること、
それがそのまんまニノの思考。
あんまり同じ過ぎて、笑うしかないでしょ。
離れて俺の顔を覗き込んで、
ニノ「いっつも、これで、
誤魔化されてる気がするんですけど...」
「..ダメ??」
ニノ「ダメ..じゃない...」
今度はニノから...
かわいい唇で、俺の唇を
優しく啄むように口づける...
頭を押さえるから自然と顎が上がり、
唇も開くと、その隙間から、
ニノの舌が滑りこんでくる。
ニノのリードに委ねて、甘いキスを繰り返す。
周りに人が居ないことが、
いつにないくらいニノを
大胆にさせているんだろうな...
(いつも外だと恥ずかしがるくせに)
「ニノちゃん、今日は積極的♡」
そう茶化したら、拗ねた。
(...予想通り...笑)
ニノ「もう///絶対しない!!!」
そう言って反対を向いてしまったニノに
「絶対??...ホントにしないの??」
ニノ「......」