第9章 異国
飛行機で約8時間半。
ニューカレドニアは南半球の楽園。
そう『天国に一番近い島』
として有名な所。世界遺産にも
登録されている美しい
ブルーラグーンがあり、
水平線に沈む夕陽を見ることができる。
ニノと2人で天国...
想像しただけでテンション上がる!!
俺はヌメア市内の水上コテージを
予約していた。
かなりリッチな雰囲気で、
着くとニノは大はしゃぎ。
ニノ「翔!!すごいね~ここ!!
隣とも離れてるから、2人っきり♡
って感じだし...」
「.......」
ニノ「翔!!見てよ!!ずっと向こうまで
白い砂浜が続いてるよ~!!
水平線ってさぁ~やっぱ、
少し丸いよね~...」
俺はニノの後ろからそっと抱きしめた。
ニノの首には、おれがプレゼントした
黄色いネックレスが揺れていた。
「やっと、2人になれた..」
ニノ「..しょお...」
ニノは俺の腕の中でクルッと向きを変え、
俺の方を見ると、
チュッと軽くキスしてきた。
離れて俺の顔をのぞき込もうとするニノを、
さっきよりも強い力で抱き寄せ、
キスのお返しをした。
2人で見つめ合って、
どちらからともなく笑った。
幸せ過ぎて、眩暈がする。
「なんか食べる?
ルームサービスでも取る?」
俺たちは機内でずっと寝ていたから、
機内食は食べていない。
ニノ「食べに行こうよ~」
「いいよ。」
ニノ「翔!!フランス語って出来るっけ?」
「..フランス語かぁ...無理!!!」
ニノ「まっ、なんとかなるね!いこーよ」
日本人がほとんどいない..
ということは、俺たちを知る人もいない。
俺はニノと手を繋いで歩いた。
それだけで、夢のようだった。