第35章 深夜の訪問者
【 智side 】
首に赤い痕付けて、恥ずかしがってるけど。
俺にはもう、
『翔ちゃんに愛されて幸せいっぱいです❤』
って言ってる様にしか見えないぜ!
俺は、翔くんが好きだった。
どうしても…
どうしても翔くんへの気持ちを
抑えることが出来なくて、
ニノに悲しい思いをさせたこともあった。
でも……
二人はそれを乗り越えた。
簡単に…って言うと、
俺も寂しいし、
実際簡単じゃなかったのかもしれないけど…
あの二人、ひとつ何かを乗り越える度に、
どんどん絆を深めていった。
傷付いても、壁にぶつかっても、
ちゃんと二人で乗り越えた。
お互いを信じる気持ちの大切さと難しさ、
自分の気持ちを信じる強さ…
その二つを、ちゃんと持ってるから、
今、ああして並んでいるんだな…
って、そう思う。
……結局、俺はニノには敵わなかった。
それでよかった…今は心から、そう思う。
ニノを優しく見つめる、
翔ちゃんの笑顔を見ると、
胸の奥のところが、ほんの少しだけ、
チクリと痛むけど…
二人が笑い合っているのを見ると、
俺も幸せを貰えてる様な、
そんな気持ちになる。
………(´-ω-`)
それにしても、
デレデレイチャイチャし過ぎてる感は
否めないけどね…
「昨日はちゃんと寝たの~?」
「寝たよ!もう、相葉さん、煩いよ~!」
「翔くん、わざと付けたの?」
「いや、あ、まあ、分かってたけど…」
「俺のもんだって誇示したかったの?」
「違うって!!」
相葉くんと松潤に揶揄られて、
ニノは相変わらず真っ赤になってて可愛いし、
翔くんは、照れて頭を掻いてるけど、
どこか嬉しそうに見えるし、実は、確信犯…
なのかもしれないな…
俺たち嵐も、もう直ぐ結成20年になる。
5人の形は少し変わったけど、
これからも同じ方向を向いて、
5人の強い絆は、
変わることはないだろう。
「嵐さ~ん!お願いしま~す!」
スタッフの声に、俺たち5人は立ち上がった。
スポットライトの中へ、それぞれが歩き出す。
心の中で、
しっかりと手を繋いで……
〖 END 〗