第35章 深夜の訪問者
【 翔side 】
一瞬、心臓が止まった。
あり得ないことが起こった。
知ってたら、こんな彼女の家でくつろぐ彼氏みたいな恰好で、木村くんを迎えることも無かったのに…
なんなら、早めに知ってたら、
ヤバいものは全部持って、実家にでも行ってたのに。
そんなこと思ってみても仕方ない。
事実、木村くんはかずにくっ付いてきちゃったんだから。
急いでTシャツを着た俺は、
木村くんと二人で向き合って座った。
さて……
どうしよっか…?
「なんかさ、ごめんね~?急に来ちゃって。
まさか櫻井がいるなんて思ってなかったよ」
先に口を開いたのは木村くん。
「いえいえ、全然構いませんって!
まさか、木村くんが来てくれるなんて思ってなかったから…驚いたけど…嬉しいですよ~」
「ここナリん家だよな?」
あ…そうだった///
俺もお客さんだった…(;一_一)
「はい、珈琲は入りましたよ~」
グッドタイミング!!カズ(^-^;
「あ、うめっ///これ、トラジャ?」
「分かる人にはわかるんだな~🎵
翔さんなんか、全然違いが分かんないし」
かずが人懐っこい笑顔で木村くんの隣に座った。
………正直面白くない(・へ・)
違いが分かる男、木村拓哉に対し、
そんなのに全くの無頓着男、櫻井翔。
みたいな構図になってるし…
それが、事実だったりするから何もいえね~けど。
だけど、そんな気持ちは奥底に仕舞いこんで、
「観ましたよ~、検察側の罪人、
マジでよかったです!」
俺はサラリと話題を変えた。
「あ、櫻井、もう観てくれたんだ?」
「勿論ですよ!!あの最上検事のシーンが…」
それから俺たちは、映画の話で盛り上がり、
表面上は、楽し時間を過ごした。