第34章 輝くライトの中へ
「あれってさ、なんか、ズルいよね~」
唇を尖らせる俺に、
「何がだよ~?ズルい要素なんか、全く無いじゃん!」
真っ直ぐに俺を見つめる翔…
俺はすっと目を反らせて、
「だって…カッコ良過ぎるもん…」
と言った。
「えっ??何…よく聞こえないよ~」
「だから!!二人しか出せないような雰囲気で、ズルい!って言ってんの!」
「それは、だってさ…」
分かってるよ…そんなこと翔に文句を言う筋合いじゃないことくらい。
だけど…もう、言いだしちゃったから、止まんなくて。
「俺と翔じゃ、到底あの空気感は出せない…嵐の中で、あのカッコよさで歌って、様になるのは、悔しいけど翔と松潤だけ、だしさ…」
「カズ……」
……(-_-;)
あ~あ、もう、カッコ悪///俺…
落ち込んで顔を伏せる俺を、翔は力一杯抱き寄せた。
「カズ!!何それ?超嬉しいんだけど…」
興奮気味の翔に、俺は面白くない。
「嬉しいって、カッコいいって言われたこと~?」
「違うよ!!カズが、俺と松潤にやきもち妬いてくれてること🎵」
…そんなん、当たり前じゃん…
つ~か、痛いよ~…
翔は俺の身体をきつく抱き締めて、俺の頭に顎を乗せ、ぐりぐりしていた。
「俺達、対等だね、これで。
俺ばっかりでもなくて、カズだけでもない…ふたりともが、やきもち妬いてるんなら…お互いさま🎵だよね?」
……だからって。
何で喜んでるんだろう?この人…(-ω-)/
よく分かんない…分かんないけど、俺は思ってたこと、言えないでいたこと、ちゃんと話せてすっきりしていた。
「翔……ありがとね」
素直に言うよ…だって翔が…翔だけが好きだから❤
「俺も…ありがと、カズ…大好きだよ❤」
翔が急に立ち上がって、俺の手を引いて立たせ、
ひょいと抱っこした。