第34章 輝くライトの中へ
【 翔side 】
俺はリハーサルスタジオの隅っこにあるパイプ椅子に座り、縺れ合う二人を見ていた。
「え~、この時、左手は?」
「この姿勢、無理があるよね~?」
「あ、ちょっとお前、どこ触ってんだよ~!」
「仕方ないだろ~?そーいう振り付けなんだから~!」
何だか和気あいあいとしてて、
楽しそうですこと...(-""-;)
今日はコンサートのリハで、カズとレッスンスタジオに来た。
今回、俺がこんなものを見せられなきゃいけないそもそもの原因は、半年前に遡る。
ニューアルバムの打ち合わせの時。
『ソロ曲って必要?』
って話になって。
たまには志向を変えて、ユニットをやろうと云うことになった。
じゃあ、ペアはどうするか?
もともと、俺たちのコンサートは、ファンの子が喜んでくれるものを...
というのがコンセプト。
だったら.....
「ワクワクのときさ...」
松潤が口火を切った。
俺もそれは思っていた。
俺が松潤との、星空仮想デートをした。
東京ドームはどよめきに包まれた。
いつものキャーキャーとは少し違って。
案の定、その直後からネットは大騒ぎになっていた。
『バンビズ、ヤバい...』
『翔潤、マジで萌えた』
って。
そう。
俺と松潤は、滅多にスキンシップを取らないことが、ファンの間では周知の事実。
その俺たちが、仮想とはいえデートしたんだから...
異様な興奮の中、俺と松潤は顔を見合わせた。
そんなことがあって、のニューアルバム。
「俺と翔くんでユニット、っていうのは、どうかなぁ~...?」
そう言いながら、松潤は俺じゃなくてカズの顔色を伺った。
だろうね....
俺もちらっと、ゲームをしていたカズの様子を見た。