第33章 あ~、夏休み♪
【 二宮side 】
背中のラインが...綺麗で、惚れ惚れする...
隆起した肩の筋肉が、男らしくて。
俺にはないから、いつ見ても羨ましくって...
で...ドキドキする...
不本意ながら、風呂場で盛大によがった俺は、
翔と並んで...正確には翔の後ろで、
檜の湯船に浸かっている。
「風、すげ〜なぁ〜///」
翔は。強風をもろに受けて、折れそうにしなる椰子の木を、乗り出すように眺めている。
愛の行為の直ぐ後に、
よくそんなさ、大事な人に背を向けて、
椰子の木なんかを見てられるよね('ε'*)
「ねえ、カズ...?椰子の木、折れんじゃね~?」
「知らない...」
「えっ?」
ZEROの台風中継でも観ていた気になっていた翔は、この時初めて、俺の不機嫌に気付いたらしい...
...全く、相変わらずの鈍さだよね(-"-)
「カ~ズ❤...おいでよ♪」
「...俺もう、出る...」
翔の誘いを丁重にお断りして、先に風呂を出ようとした俺は、彼に腕を引かれて、転びそうになった。
「危なっ///もう!!何だよ~..危ないじゃん///」
「俺を置いて行くなよ..」
...(~_~メ)
そんなさ、2枚目っぽい声出していっても、ダメだからね...
無視して手を解こうとする俺に、今度は、
「ヤーダ!!置いてったら、僕、泣いちゃうよ!!」
...(~_~メ)
「ヤーダ、ヤーダ!!怒っちゃダメなの!!!
カズは、翔のこと、怒ったらいけないの!!!」
「あ~///もう!!分かったって///
全く、何キャラだよ、それ...ほら、行くよ..」
俺は仕方なく翔の手を繋ぎ直して立ち上がると、翔はにんまり笑って、俺の手をきゅっと握った。