第33章 あ~、夏休み♪
それから俺たちは風呂から出て、
お揃いの真っ白なバスローブを羽織った。
「カズ、なんか飲むか~?」
「うん...翔は?」
「俺は...ビールかな?」
「じゃあ、俺も♪」
冷蔵庫からビールを出して俺たちはもう一度ベランダに出た。波の音が絶え間なく聞こえているのに、海は漆黒の中...
「何だか、怖いね...」
俺がそう言うと、翔は俺の肩を抱き寄せて、
「大丈夫...俺が守ってやるから...」
...って...何から守ってくれるの~?
しかもさ、すげ~男前の低音ボイス...
俺が少し笑っていると、その意味を理解した彼は、
「そうだな~...?エイリアン?
後は、カズが昔捨てた女の生き霊とか~?」
「そんなの、いないよ!!!」
「ははっ...例えばの話よ...」
「もう///」
「でもね、マジで言ってんだよ...俺。
カズのこと、どんな敵からだって、
身体を張って守ってみせるよ!
だってさ...カズは俺の、命だから...」
「しょう...」
「俺の命に代えても、カズのことは絶対にまも..」
「止めて!!!そんなのいらない!!
命に代えてもなんて、そんなのヤダよ///
翔がいなくなったら、俺だって生きていけない///」
......
何だよ...
何で...涙まで出てんだ...俺...
「カズ...可愛い...泣くなよ~...もう」
「だって///」
翔は俺の頭を引き寄せて、髪にふんわりと唇を落とした。
「分かったよ...ずっと、一緒だもんな♪
...変なこと言って...ごめんよ..
だから~...もう、泣くなって(^^;」
翔の胸に抱きすくめられて、俺はもう、何だか余計に泣けて来て仕方なかった。
涙が後から後から溢れて来てさ...
翔は俺の涙が止まるまで、
ずっと、髪を撫でていてくれた...