第8章 不安
あの夜を境に、
俺たちは名実ともに
恋人同士になった。
メンバーの前では、相変わらずのツッコミ担当のニノ。
智くんや相葉くんとじゃれるところも
相変わらずだったけど、
夜、俺の腕の中で乱れる彼を知っているのは、
自分だけなんだ...
という自信があるからか、
冷静に見ていられた。
彼らにやきもちを妬いてたのが、
随分前のことみたいだ。
今は寧ろ、そんなニノを可愛いと
思っていた。
番組の収録中、
俺とニノは並んで座っていた。
急にカメラに抜かれても
大丈夫なように、
笑顔で前を見たまま、小声で誘う。
「この後、俺んち来る??」
ニノも前を見ながら答える。
ニノ「うん...行くよ..」
「泊まりな!!!」
ニノ「えっ!?」
とっさの誘いに予測してなかったのか、
驚きと嬉しさを隠せないような顔を
俺に向けた。
俺は一瞬高揚したニノの顔を
視界の隅に捉えて、
それでも相変わらず行われているゲームに夢中な振りで、
「本番中...」
と囁いた。ニノは、
しまったという素振りで前を向き直した。
もしも、カメラがたまたま俺たちを
抜いていたら、バレる!!っつーの...(^-^;
こんなスリル満点の戯れ言も、
俺は楽しくて仕方なかった。