第29章 永遠
〔櫻井side〕
スリルのあるゲームのようなセックスの余韻は、甘くふたりの時間を奏でる。
俺は、ニノに頭を洗ってもらっている。
二「お客様~♪洗い足りないところは、ございませんか~?」
「えっと~、じゃあ、ココ..とか」
二「何だよ、それ!大阪のエロおやじかよ!!」
...残念ながら、今度はソコを洗ってもらえなかったけど、ふたりで爆笑して、
シャンプーが目に染みた。
風呂から出て、ソファーでビールを開けた。
ニノが膝の間に入り込んで、密着し、他愛もないことを話す俺たち。
端から見たら、俺って、
スゲー幸せそうな顔してるんだろうな。
すると、ニノが不意に話題を変えてきた。
二「あのCMさ。ちょっと、妬けた。」
あのCMっていうのは、
俺と大野さんのふたりが部屋の中で、
ビールを飲んでいる、最近のヤツ...のこと。
「あ~...まあ、演出ありき、だからね。」
さらっと、流そうとしたのに、
ニノは更に食い下がる。
二「画面から、滲み出ちゃう二人の空気感、みたいなの....。なんか、さ...」
「なんか、なんだよ~...。」
二「やっぱ、いいや...」
追及するのかと思いきや、
あっさり止めてしまったニノに、
....ヤバい。
逆に、キュンとする。
俺は、後ろからニノの首筋に顔をうずめて、
「や・き・も・ち♪」
と小声で言った。
するとニノは、腹に回した俺の手をぎゅっと握り、
二「そうだよ。二人だけが持ってる独特の雰囲気には、いつだってね...。いいな..って。羨ましいっていうかさ...」
そんなニノの首筋に、痕が残るギリギリの強さで唇を落とした。
くすぐったそうに身をよじったニノを、自分の方に向け、鼻の先に、チュッと音を立ててキスをした。