第28章 船出
〔二宮side〕
大きな太陽は、そこから見える景色の
すべてを暮れさせていく。
昼間、青くキラキラしていた海も、
白い波も雲も、すべてをオレンジに染めていく…。
黒いシルエットだけになった椰子の木が、
画のような美しさを際立たせる....
息って、どうやってするんだっけ...
そんなサンセットに、
俺も、翔さんも言葉が出ない....
....
............
どの位そうしていたんだろう。
「カット//はい!OKです」
その声で、今撮影してたんだって、
思い出した。
櫻「あっ..えっと~...」
流石の彼も、同じで、何も話さなかったこと、
ヤバいと思ってるらしく、
櫻「すみません。何か、
言葉が出なくって....」
ディレクター「全然、大丈夫です!!逆に、
すごくいい感じでした。もしかしたら、
あっちで声入れて貰うかもしれませんが。」
こうして、今回のロケは終了となる。
今夜はサンタモニカのホテルに泊まり、
明日は早く、日本に帰る。
この日の、俺たちのホテルは、
ビーチに面したリゾートホテル。
マネージャー「今夜はもう撮影ないから、
ゆっくりしてください。
部屋も別々なので。お疲れさまでした~。」
櫻・二「お疲れさま~」
俺たちは、隣り合わせた部屋に、
それぞれ入った。