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いつも貴方がいた【気象系BL】

第28章 船出



〔二宮side〕

あまりのことに、正直、驚いた。

こんな指輪をこっそり用意していたことも
もちろんだけど、一緒に暮らそう..って..

黙ったままの俺に、翔さんは、
少しおどけて、

櫻「イエスなら、ここに、一個残った、
これを...」

そう言って片膝で、俺の方へ、
左手を差し出してきた....

「....なんだよ...それっ..」

笑って言った自分の声が、
驚くほどに震えていて、戸惑った...


頭を少し下げた彼のそこに、
俺はゆっくりリングを差し込んだ....

結婚式みたいで、(やったことないけど..)
ドキドキした。

下まで収まると、俺を見上げた翔さんが、

櫻「カズ...泣いてるの?」
と言った。

その言葉で初めて、俺は自分が涙を
流してることに気づいたんだ....


立ち上がった彼は、徐に自分のバスローブを
脱ぎ捨てた。

驚く俺は、翔さんの綺麗な身体に、
思わず息をのむ。

櫻「他には..何にもいらない....」
そう言いながら、彼は俺のバスローブの紐を
解き、俺の肩からそれを落とした。


もちろん、俺も何も着けていない....

櫻「...カズだけが欲しい..カズがいれば、
他には何もいらない...
ふたりで、ずっと、生きていこう。」

彼の力強い言葉に、俺は涙が止まらなくて。

「...ありが..とう..」と答えるのが、
やっとだった。



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