第25章 雪解
翌日は、雑誌の取材があり、
5人で顔を会わせる日。
俺たちふたりは、
なかなか起きられなかったので、
集合時間ギリギリに現場に着いた。
櫻「おはよう~..間に合った♪」
相「おっ!!お揃いで、登場だね~」
櫻「.....まあね~..」
そんなふたりのやり取りは無視して、
俺は、奥の長椅子に、
背中を向けて座っている大野さんに近づき、
後ろから首に腕を回し、
耳元で言った。
「今度、翔さんに近づいたら、
許さないよ!」
大「えっ!?」
大野さんは、いじっていたスマホを
落としそうになったけど、
驚いた顔で振り返り、
俺の顔を見た。
俺は、彼の胸を拳で軽く殴り、
「俺んだから♪」
と笑った。
大野さんは、安堵の表情に変わり、
大「二ノ.....」
と言った。
それを見ていた松潤が
松「何?何かあったの?ふたり....」
と聞いてきた。
大「.....」
答えに困る大野さんを尻目に、
「なーんもないって!!...ねっ♪」
そう笑いながら、大野さんにウィンクすると、
大野さんも笑って、
大「うん...ないない...」
と答えた。
そのやり取りを、
翔さんは優しく見守っていた。
........よかった。
大野さんとも、わだかまりが残ったら、
イヤだからね.....
冗談ぽくだけど、
しっかり釘差したし...
もう、大丈夫。
.........
俺は、誰にも気づかれないように、
翔さんにウィンクした。