第23章 激情

俺の下で、それと分かるほどに、
彼は震えていた。

俺はゆっくりと、
大野さんのシャツのボタンを外していく。

露わになる彼の首筋に、口づけると、
微かにピクリと反応した。

ずっとギュッと目を閉じたままの彼に、

「さとしくん...」
と声を掛けると、彼は静かに目を開け、
俺を見た。

その目に溢れそうなほどの涙を浮かべ、

大「....しょうちゃん..ごめ..」

その口を、俺の唇で塞いだ。


啄むような口づけから、
彼の口内に舌を差し込み、
逃げる彼のそれを追いかけ絡めた。

躊躇いながらも、それに応える大野さん...

そして徐々に唇を首に.....

少しずつ場所をずらしながら
繰り返されるキスに、大野さんから、
甘い吐息が漏れる。

大「...ぅん..ふっ..はぁ.....」


シャツを手首から抜き取り、
胸の飾りに舌を這わすと、
大野さんは思わず、

「ああぁ....」と嬌声をあげる。

片方は口を遣い舐めたり吸ったリし、
もう片方は指で撫でたり摘んだり、

....俺は、出来るだけ丁寧に
彼の身体を愛撫した。


『一度だけ』そう言った大野さんに、
精一杯、応えたいと...そう思っていた。


華奢だけど筋肉質で浅黒く、
俺の下で震える彼の肢体は、
とても綺麗で、俺は正直、戸惑った。

いつも楽屋で見ているはずなのに.....



何だか、淫らで、
不思議な色香に包まれていて、
俺をドキドキさせた。