第23章 激情
〔二宮side〕
櫻「片付けは、任せてよ...
カズは風呂入っといで♪」
そう嬉しそうに食器を運ぶ彼を、見ながら、
「じやー、先に入るね。」と声をかけ、
彼の『サクラ咲け』の鼻歌を背中に聞きながら風呂に入った。
翔さんも風呂から上がるのを待って、
少し飲もうかと、
ふたりで一番搾りを開けた。
俺との距離を詰めながら、
櫻「ドラマ、大変そうだね...」
と聞いてきた。
俺は、彼の肩に頭を乗せながら、
「うん...そんなことないよ...
朝早いのは、キツい日もあるけどね...」
櫻「分かる~。『何で俺、誰もいない街の中で、このテンション??』...でしょ?」
翔さんが俺の肩に手を回したので、
彼の胸の鼓動が、俺の耳に届く。
「...でも、がんばれる♡」
そう言いながら顔を上げると、
もう直ぐ近くに、彼の顔があって...
...俺は、静かに目を閉じた。
始めのうちは、触れるだけの、
乾いたキス...
なかなか、それ以上進んでこない彼に、
痺れを切らしたのは...
そう..俺の方....
口を少しだけ開いて彼を誘う。
それでも、彼が上下の唇を啄むように、
そっと....を繰り返すので、
俺は、ちょっと離れて彼を見た。
そこに、少し悪戯っぽく笑った彼の顔を見つけ、ついに、俺の方から両頬を引き寄せ。
激しく唇をぶつけ、舌をねじ込んだ。