第5章 隙間
この盛り上がった状況で
俺は今日のメインイベントを
ぶち込もうと思っていた。
その後のことは、自分に素直に
進んでもいいかもって…
このオレンジ色に煙る夜景が
俺を逆に落ち着かせていたのが
不思議だった……
「ニノ、車乗ろうよ」
ニノ「えっ?もう帰るの...?」
ニノが少し遅れて助手席に
乗り込んできた。
俺は用意していたものを出して
ニノに渡した。
ニノ「なに?なに?」
「ホントは明日なんだけど、
付き合って1ヶ月になるから...
記念になんかないかなぁ~っと思って
探してたんだ...
そしたらちょうどいいのが見つかって..
でもニノが気に入るか
分かんないけど、
一応さぁ、俺と色違いなん..!!!」
俺が話してる間にニノは
包みを開けていた。
照れくさくて饒舌気味な俺の
話が終わる前に、
ニノが俺の首に抱きついてきた。
ニノ「ありがと。翔ちゃん♡
マジですげー嬉しい...」
耳元でそう言われ
顔に血が上るのを感じた俺は
彼の手をほどいて、
俺がしているネックレスを見せた。