第21章 危機
綺麗な長い指が、俺の口内を蹂躙する。
口の端からこぼれるのは、俺の唾液なのか、
シャワーから伝わるお湯なのか、
もう、分からなくなっていた。
裸の自分と、服のままの彼のギャップ...
指だけで俺を犯していく翔さんの
憂いを纏った瞳に、
自ら熱を集め、形を変える俺自身...
それに気づき、チラリと一瞥し、
ニヤッと笑った翔さん....
その顔に、総毛立つのを抑えられない。
翔さんは、口の中の指はそのままに、
ゆっくりと空いた手を下に滑らす。
ワザと...
それには触れずに、腹筋とその周りや、
太腿を優しく撫でる。
触れるか触れないかのその刺激に、
我慢できなくなった俺は、
「...しょお..じらさ..ないで...」
と言った。
すると、耳元に口を寄せ、
櫻「ちゃんと言わないと、わからないよ...」
(...でたよ!!ドS櫻井...)
甘美な刺激に脚が震えて、
立っているのもやっとの俺は、
翔さんの手を、自分のそこに誘導しながら、
「...触って..おねがい..」
と、やっと言った。きっと、
耳まで真っ赤になってるんだろうな...
もう、白旗だよ!!
何でもいい...どうでもいい...
...俺は、その先の快感を、貪欲に求めた。
それが、彼の思う壺だって、
分かっているけど、
そんなの構わない...そう思えるほどに、
俺は、彼を求めていた。