第17章 忘却
櫻「俺さぁ、つきあってた人がいたんだって。
なんか、変な言い方だよね~...
でも、..何でだろ..?覚えてないんだよね~」
4人「........」
櫻「そこだけ忘れるって、
そんなんあるかなぁ~」
相「病院の先生は何て??」
櫻「うん....そのうちに
思い出すかもしれません....って。
何だか、そんな感じで...」
松「それで、何か思い出しそう??」
櫻「つーかさ...その、彼女??
全然、連絡してこないんだぜ~。
それも、なんか、変だよな~
普通、真っ先に病院、駆けつけるでしょ!!」
翔さんはそう言って笑った。
(行ったじゃん!!直ぐに!!)
俺は、覚悟が揺らいで、もうこの場から、
逃げ出したかった。
すると、大野さんが、
大「そのことなんだけどさ...」
と珍しく口火を切った。
大「ニノ...例のあれ...持ってきた??」
「.....うん..」
俺は震える手で、ふたつのものを、
取り出し、テーブルに置いた。
櫻「あれ?このネックレス、
俺も持ってるよ~色違い。それと...」
翔さんはニューカレドニアの写真をじっと見た。
櫻「...俺と...ニノ..?」
不思議なものをみるような翔さんの顔に、
俺はこの世で一番こわいのは、
忘れ去られてしまうことなんだな...
と、なぜか人事のように思っていた。