第16章 擦違
「バカだなぁ…。」
そう言って笑う俺を、
顔を上げてゆっくり見つめるニノ。
「好きに、理由なんかいるの?」
二「翔.....」
「まぁ、確かに~?
大野さんはすごいと思うよ。
芸術センスも天才的で....
歌だってうまいし、ソロで踊ってるとこなんて、カッコ良すぎだよね...」
二「.....」
「それに比べて、カズは、
やきもちやきで、泣き虫で、
甘えん坊で....意地っ張りで..♪」
二「翔~///」
「でも...やっぱ、俺にはカズなんだよ..
どうして?なんて、そんなのいる??
だけど、カズが理由が欲しい、
って言うならあえて言うけど....」
「........」
ニノは潤んだ瞳で俺の次の言葉を待ってる。
(そんな可愛い顔すんなよ!!!
今すぐ、押し倒すぞ!!!)
「もう、カズじゃなきゃ、ダメなんだよ。
カズが居てくれれば、他にはもう、
何もいらない。」
二「しょお~////」(また泣く...)
「愛してる」
二「しょーおー....」(さらに泣く..)
「泣き虫...笑」
二「だってー....」
「おいで♡」そう言って両手を広げると、
ニノは泣きながら飛び込んできた。
「大野さんの思いの分まで、
幸せにならなきゃだね...」
二「うん♡」
ニノは涙でぐちゃぐちゃの顔で笑った。