第14章 盲目
〔二宮side〕
この日、俺はドラマの共演者やスタッフと、
まあまあの大所帯で飲みに来ていた。
中間で、後半に向けての、
言わば『頑張っていこーぜ』的な、
そんな会だった。
主役の俺は、立場上、
サッサと帰るわけにも行かず、
何となく、携帯をいじっていた。
すると、驚くことに、
同じビルの地下で、
翔さんたちも呑んでるらしい。
「うそ...マジで!?」と
思わず声に出してしまった俺に、
隣に座って前に座る共演者と
盛り上がってる彼女が反応する。
その娘は、「何??どーしたの?」
と聞いてきたので、うっかり、
「いやね...翔ちゃんが、
この建物にいるって言うからさ、
ビックリしただけ!」
すると直ぐに、
「ホントに!!!合流しようよ♡」
と目を輝かせた。
(しまった////こいつ、翔さんのファンって、
言ってたんだった...)
「やぁ~...向こうは向こうで、
いろいろあるからさ...遠慮しといた方が..」
とい言ってるところに、間が悪く、
彼から、ラインが...
『よかったら、こっちに顔だしなよ』
当たり前のように、
俺と一緒に画面を覗き込んで、
彼女は顔を輝かせる。
「やった♡こっちに呼んでよ~
こっちも、一回締めたんだし♡
ねぇ~、早く!!」
「でもさ...」
煮え切らない俺の携帯を取って、
勝手に『こっちに来て♡』
と送信しやがった!!!
(なんだそれ!?せめてハート♡
はやめてほしい...)
それから、直ぐに彼がやってきた。
(...いやな予感しかしない...)