第10章 誕生
雅紀「うっわー!松潤そっくり!」
智「濃ゆいなー」
和「櫻井家の遺伝子は何処に行ったんですか」
「お前ら言いたい放題だな」
翔「ふふっ。でも事実だよね」
出産から丸一日経った4月20日。
オフの取れた嵐のメンバーがお見舞いに来てくれた。
出産の際、大量の出血を起こしてしまった翔だったけど、その後の輸血と点滴で直ぐに容態は回復し、体調も落ち着きを取り戻していた。
産まれて来た俺達の子供は翔の腕の中でスヤスヤ眠っている。
雅紀「で…どうだった?出産の痛みは」
翔「………死ぬ程痛かったよ。あんなきついのは産まれて初めてだな」
雅紀「マジ?」
智「はー」
「でも…この子の顔見てたら…すっかり忘れた」
和「ふふっ。すっかりママの顔ですね翔さん」
翔「そう?」
和「ええ」
智「あ、そうだ」
思い付いた様に、りーだーが俺の方を向いた。
「ん?」
智「名前。決めたの?」
雅紀「そうだ。名前!」
和「どうなんですか?」
翔が俺を見つめ、にっこりと頷いた。
「さっき決まったんだ。これ」
テーブルに伏せた紙をひっくり返し、皆に見せる。
智「………太陽…」
和「太陽くん…」
「俺達さ…こういう仕事してて…結婚てしたいからって直ぐ出来るもんじゃないでしょ?特にアイドルは。でも俺達は…この子のお陰で直ぐに結婚出来た。この子が翔のお腹に宿ってくれたから…今の俺達があるんだ。俺達の未来を…明るく照らしてくれたんだ。だから…太陽に決めた」
雅紀「………うん。良いじゃん!松本太陽」
和「うん。素敵な名前ですね。将来は男の保母さんですか?」
「ははっ、ちげーわ」
智「………おいらてっきり嵐って付けるかと…」
翔「え?何で?」
智「いや…何となく…」
和「馬鹿じゃないの。嵐のメンバーの子供だから嵐って。果てしなくダサいでしょ」
智「え?イケメてね?」
「全然」
雅紀「ひゃっひゃっ!」
久しぶりに集まった俺達5人は時が経つのを忘れ、長い時間語り合った。
太陽…。
これからパパとママが命懸けでお前を守っていくからな。
太陽の様に、強くて明るい子になってくれ。