第64章 嵐の夜に
ー翔sideー
『関東地方は週末から週明けに掛けてこの季節1番の大雨・暴風警報にご注意下さい』
和「はぁー…凄そうだね」
目の前にはテレビに見ながら溜め息を付くにのの姿。
智「釣りは中止だなぁ…」
和「あんたまた行く気だったの?」
他愛無い会話をしながら笑い合う智くんとにの。
その横で俺は月曜日の資料を読んでいた。
俺の隣にはさり気なくスマホをいじる潤が居た。
少しずつ、元通りになる日常。
このまま…潤と歩み寄っていければ。
俺はそう思っていた。
潤「なぁ翔」
ふいに潤に声を掛けられ顔を上げる。
「何?」
潤「前に翔が食べたいって言ってたお肉、明日にでも届くみたいなんだ」
「あー…あのお肉?」
潤「うん」
「そっか…じゃあ明日にでも太陽と夕飯食べに帰るよ」
潤「分かった。準備しておく」
潤が優しく微笑み、俺もつられて笑顔を返した。
ふと、視線を感じ潤と一緒に反対側を見ると…俺達を凝視する智くんとにの。
和「今週は家族サービスしてね」
智「バーベキューでもやるか」
和「だから大雨警報出てるでしょーが」
俺達と目が合うとまた会話に戻る。
沢山、心配かけたんだね俺達…。
潤を目を合わせ、また笑った。